おいしさの秘密は?

資料:小俣 靖「食品の味、おいしさに関する要素」より転載
資料:小俣 靖「食品の味、おいしさに関する要素」より転載

肉のうま味成分はアミノ酸とイノシン酸

肉汁のしたたり落ちるステーキを食べたとき、おいしいと感じるのはどうしてだと思いますか。おいしさは、味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚の五感すべてと、さらに雰囲気や食文化、心理状態など種々の要因の総合によって感じることができると考えられています。その中で最大の決め手は、やはり味覚です。

味覚は、甘味、塩味、酸味、苦味という従来の基本味だけでは無数にある食物の味を説明することは難しいとして、現在では「うま味」がおいしさを表す言葉として加えられています。うま味の主な成分としては、グルタミン酸を代表とするアミノ酸類やグアニル酸、イノシン酸、コハク酸などがあげられます。

肉のうま味の主な成分もグルタミン酸やイノシン酸です。肉をおいしく感じるのは、味はもちろんですが、さらに香りや食感などいろいろな要素の組合せの結果といえます。肉のなめらかな食感ややわらかさ、香りには、脂肪が重要な役割を果たしているといわれています。

動物性タンパク質の効用

ところで、動物性タンパク質が少ないと塩味が欲しくなるということを知っていますか?国民栄養調査の結果から、動物性タンパク質をたくさん摂る人ほど、食塩摂取量が少ないということがわかり、動物実験でも確かめられています。それはタンパク質が少ないと、使い古しの味蕾細胞がいつまでも残っていて、塩味に対する感度を低下させるからではないかと考えられています。

さらに、動物性タンパク質をたくさん摂ると、タンパク質が腎臓から排泄されるときに、食塩のナトリウムも一緒に排泄されるので、食塩の取り過ぎによる脳卒中や高血圧などの発症を防ぐことができます。肉にたくさん含まれるタンパク質には、意外な効用があるのですね。