特徴生かして賢く肉料理

肉はロース、ももなどの部位によってそれぞれ特徴があり、それを生かして調理するとおいしく、しかも経済的に料理できます。

牛肉は部位の特性が比較的はっきりしています。一般的にやわらかい部分が好まれますが、じっくり煮込むと、かたい部位もおいしい味がでます。豚肉は肉として出荷される月齢が牛肉に比べて早く、また、運動することが少ないため、かたい部分ができにくく、どの部位も広い範囲の料理に利用できます。鶏肉は牛肉や豚肉に比べると淡白な味わいです。

部位別の特徴と適した料理法

牛肉・かたロース

首に近いため、やや筋っぽさがありますが、脂肪が比較的多く、風味がたいへん良い肉です。厚切りよりも薄切りにして使うのが良いでしょう。肉そのもののおいしさを味わうステーキ、しゃぶしゃぶ、すき焼き、バター焼き、焼き肉、煮込みに。

牛肉・リブロース

肋骨(リブ)部の背中にあたり、霜降りになりやすく、霜降りが強いほど上質とされます。きめの細かい優れた肉質です。ステーキ、ローストビーフでは焼きすぎないように、芯にさくら色が残る程度に。

牛肉・サーロイン

きめが細かくてやわらかく、加熱するとたいへん良い香りがします。ヒレと並んで牛肉の最高部位です。ステーキには、厚みがあるほうが肉汁が外に逃げにくくおいしく仕上がるので、1センチメートル以上の厚切りに。

牛肉・ヒレ

たいへんやわらかくて肉質も優れているうえ、1頭から2本しかとれないため、高価です。加熱しすぎると、肉が縮んでかたくなってしまうので、ステーキはミディアムくらいまでにします。ローストビーフやビーフカツにも。

牛肉・ばら

繊維質や筋膜があり、赤身肉と脂肪が層になっています。脂肪の多い濃厚な味を生かして、ブロックのままや角切りにして煮込みやシチュー、ポトフなどに。時間をかけて煮込むと箸でちぎれるくらいやわらかくなります。

牛肉・もも・そともも

うちもも、しんたま、そとももに分けられます。牛肉の中ではもっとも脂質が少なく、タンパク質の多い部位なので、脂肪の摂取を控えたい人に。薄切りで使う場合は、さっと火を通す程度のほうがやわらかです。

牛肉・らんぷ

サーロインに続くお尻の部分です。やわらかい赤身肉で、風味の良いおいしい肉です。ほとんどの料理に利用できます。中でも、たたきや刺身用によく使われます。ステーキにしても、やわらかくて美味。

牛肉・ネック

首の部分です。よく運動する部分のため、筋が発達し、きめが粗くかたいのが特徴です。多くはひき肉やこま切れにされます。焼いたり炒めたりするより、じっくり煮込んでうま味を引きだす煮込み料理にするのが良いでしょう。

牛肉・すね

肉の中でもっとも筋の多い、かたい部位ですが、気長に煮込むとやわらかくなり、おいしい味がでます。たっぷりの野菜と煮込むと、栄養バランスのとれた一品になります。圧力鍋を使うと短時間でやわらかくなります。

豚肉・ロース

きめが細かくてやわらかく、外縁部分にほどよく脂肪がついています。ヒレと並ぶ最上の部位です。脂肪にうま味が多く含まれているので、取り過ぎないようにします。切り身で使うときは、たたいて筋を切ります。

豚肉・ヒレ

豚肉の中でもっともきめが細かく、やわらかな最上の部位です。脂肪が少なく淡泊な赤身肉で、低カロリーです。コクに欠けるきらいがありますので、とんカツ、ソテー、揚げ物など、油を使った料理にしたり、濃厚な味わいのソースを組み合わせると良いでしょう。

豚肉・ばら

赤身と脂肪が交互に3層くらいになっているので、三枚肉とも呼ばれています。濃厚な味わいの部位です。角切りにしてシチュー、カレー、角煮などに。じっくり煮込むと、とろけるほどやわらかくなり、良い味がでます。

豚肉・もも

脂肪が少なく、きめの細かい赤身の肉です。カロリーが低く、タンパク質、鉄、ビタミンB1が多く含まれています。ブロックのままローストポークや焼き豚に、切り身にしてソテーやとんカツに、薄切りにしてすき焼き、しゃぶしゃぶ、揚げ物などに。

鶏肉・むね肉

脂肪が少ないためカロリーが低く、タンパク質が多く含まれています。やわらかくて色が白っぽく、淡泊な味の肉です。さわるとかたくて張りのあるものが上質です。淡泊であっさりしているので、どんな料理にも合います。

鶏肉・もも肉

色が赤っぽく、かための肉ですが、味にコクがあります。脂肪が適度にあり、おいしいので、広い範囲の料理に利用できます。煮込み料理には、骨付きのものをぶつ切りにして使うと良い味がでます。カロリーを抑えたいときは、皮を除くと良いでしょう。

鶏肉・ささみ

形がササの葉に似ているところからこの名があります。鶏肉の中ではもっともやわらかく、淡泊です。白い筋が1本あるので、除いてから調理します。揚げ物にすると、淡泊な味が補えます。ごく新鮮なものはさしみでも食べられます。

鶏肉・かわ

脂質がたいへん多く、カロリーはささみの約5倍もあります。安価で経済的です。黄色の脂肪を手で除き、さっとゆでて冷水にとってから調理します。から揚げ、網焼き、いため物、煮物、あえ物に。他の材料と煮物に使うと、良い味だしになります。

ひき肉の使い分け方

ひき肉は室温に長くおくとやわらかくなったり、細菌がつくことも考えられるので、使う直前に冷蔵庫からだします。卵、まず調味料を加えて肉の粘りがでるまで混ぜてから、パン粉、野菜などの副材料を混ぜると楽です。

同じひき肉でも種類、部位、ひき方によって特徴があり、料理によって使い分けます。

牛ひき肉

うま味があって弾力があり、比較的水分が少ないのが特徴です。ハンバーグなどのまとめる料理に適しています。

豚ひき肉

味にこくがあり、やわらかく、どんな料理にも向きます。香味野菜と組み合わせるとクセが消えます。

鶏ひき肉

淡泊なので和風料理に合います。鮮度が落ちやすいので注意しましょう。

合いびき肉

牛肉のうま味と、豚肉の口当たりの良さが味わえ、どんな料理にも合います。