「下ごしらえ」でおいしく料理
下ごしらえは、おいしく料理するために欠かせない大切な手順です。食肉部分の下ごしらえについて紹介します。
包丁を使って下ごしらえ
脂肪や余分な皮を除く
脂肪にもうま味があり、加熱調理したとき肉をぱさつかせない役目をしてくれますが、多いとしつこい味になったり、調理のじゃまにもなります。脂肪層が厚くついているものは、少し切り落として形を整えます。
鶏もも肉の皮は、肉からはみだしている分は切り落とし、黄色い脂肪も気になるなら少しそぎ取ります。皮を全部はぐ場合は、手で強く引っ張ってはがします。
ひと口大に切る
目安として、薄切り肉なら3〜5センチメートル幅、厚切り肉なら2センチメートル幅くらい、かたまり肉は3センチメートル角くらいに切ります。薄切り肉は切ったあと重なりをはがしておくと、下味をつけたり炒めたりすることがうまくいきます。鶏肉は皮側を下にするほうが切りやすくなります。

そぎ切りにする
鶏肉や厚切り肉をひと口大に切る方法。肉を適当な幅に切って横長に置き、指先を揃えて肉の端を押さえ、包丁を寝かせて指の下の肉をそぐように薄く切っていきます。
細切りにする
細さは料理によって違いますが、肉の繊維を切断してしまうと炒めるときにちぎれてしまうため、繊維に沿って細長く切ります。

観音開きにする
鶏肉でよく使われますが、巻きものをするために肉の面積を大きく広げる方法です。皮側を下にして縦長に置き、縦中央に肉の厚さの半分まで切り込みを入れ、その切り込みから包丁を真横に寝かせて左右に入れ、厚みを半分に切り開きます。包丁は前後に大きく引くようにして切ります。

筋切り
筋切りしないで加熱すると、筋が縮んで肉が波打ち、火の通りが均一にならないばかりか、見た目も悪くなってしまいます。肉と脂肪の間にある白い筋は、脂肪層ごと2〜3センチメートル間隔で包丁の先で押し切ります。鶏もも肉(骨なし)を丸ごと焼くときは、筋切りと火の通りの良さを兼ねて、内側全体に2〜3センチメートル間隔で切り目を入れておくと良いでしょう。
筋を抜く
鶏ささみの筋は、筋の両側の肉に軽く包丁を入れてから、筋を下にしておき、片手で肉をしっかり押さえながら引っ張り抜きます。
道具を使って下ごしらえ

たたく・たたきのばす
厚切り肉を1枚ごと、あるいは半分切りくらいで揚げたり焼いたりする場合、肉たたきで軽くたたいて肉質をやわらかくしておくと、口当たりよく仕上がります。
ウィンナー風カツレツや巻きものなどごく薄くのばしたいときは、ラップの間にはさんでたたきのばすと、後の手順が楽になります。

たこ糸をかける
かたまりの肉を焼いたり煮たりする場合、加熱で肉がねじれて形が悪くなるのを防ぐため、たこ糸をかけます。糸はきつからずゆるからず、3〜4センチメートル間隔でぐるぐる巻きにします。
肉の太さが10センチメートルより太くなる場合は、肉の上の面で糸を十文字に交差させながら巻き、裏側に糸を回して横糸にかけていきます。
下味をつける

汁け(ドリップ)をふく
パック売りの肉を見ると、パックのすみに肉からでた汁(ドリップ)がたまっていることがあります。そのまま下味をつけると、気になるにおいもつき、味のなじみも悪くなります。汁けはペーパータオルにはさんでしみ取らせるか、気になる場合は冷水でさっと洗い、しっかり水けをふき取ってから下味をつけましょう。
塩、こしょうをする
うま味のある肉汁が外にでないよう、ステーキは焼く直前、その他の肉のソテーは焼く5〜10分前に肉の両面に塩、こしょうします。肉を小さく切った場合は軽くもみ混ぜ、全体に味をなじませます。焼いて肉そのものの味を味わう、ステーキのようなシンプル料理の場合、食べておいしいと感じる塩の量は、肉の重量の0.8〜1%といわれています。

下味をなじませる
調味料やスパイスを合わせたタレは肉のくさみやクセを除いてくれます。手でしっかりタレをもみつけてから時間を長く漬け、味をなじませます。
大きい肉を丸ごと1枚照り焼きにする場合は、金串(ない場合は竹串やフォーク)を4〜5本まとめて持ち、肉の裏表全体を突き刺しておくと、味のしみ込みが良くなります。
中華料理の下味をつける
中華料理では下味をしっかりつけてから調理することが特徴ともいえます。切った肉に調味料を加え、1切れずつ味がからむように手でもみつけます。料理によっては溶き卵やかたくり粉を加えてもみつけておくと、加熱後も肉の味が逃げず、口当たりがやわらかです。


マリネする
マリネとは、「漬け込むこと」全般を指します。ステーキやシチューの場合、調理前に肉をマリネしておくと良い香りがつき、やわらかくおいしくなります。マリネ液にはオイル系とワイン系の2種類があります。それぞれ香味野菜(玉ねぎ、にんじん、セロリなど)を刻んで肉にかぶせて好みのスパイスを加え、マリネ液に漬けて1日以上おきます。