加工の歴史と動向 食肉加工の歴史 乳加工の歴史 日本における生産量 加工の原理 食肉の選び方 乳の選び方 卵の選び方 加工技術の意味 食肉加工の技術 乳加工の技術 そろえたい道具・材料 食肉加工の道具 乳加工の道具 卵加工の道具 食肉加工の材料 乳加工の材料 そろえたい香辛料 畜産加工の専門用語 必要な法的手続きQ&A JAS規格 加工物販売 営業許可 食品衛生法の施設基準 酪肉法の施設基準 必要な資格 相談先 営業許可手続きの流れ |
始まりは中央アジアから 約1万年前の中央アジアの草原地帯で、家畜の乳が加工品として利用され始めたようです。搾った乳を保存していたら偶然、乳酸菌による乳酸発酵が起こり、上層がホエー(乳清)、下層はヨーグルトとなったのが始まりと考えられています。 やがて、クリーム(脂肪層)を羊の皮袋に入れてかき混ぜ、バターに加工するようになりました。ヨーグルトはそのまま食べたり、塩を加えて固め、乾燥させて保存食としていました。これはチーズの原型です。 牧畜の伝来とともに、東はインドやモンゴル、西はヨーロッパ、南はアフリカへと伝わっていったと考えられています。紀元前4,000年頃の古代エジプトでは、乳の利用を描いた壁画が残されています。 現在主流となっているのは、ヨーロッパ流の乳加工品です。すでに旧約聖書のなかにはレンネット(凝乳酵素剤)を利用したチーズづくりが示唆されていますが、現在のような多彩なチーズが現れ始めたのは、ルネッサンスの幕開けとともに、資本主義が芽生えた頃からのようです。
仏教思想の広がりとともに肉食はタブー視されるようになりました。ですが乳加工品に関しては、飛鳥時代から平安時代まで、貴族階級では食べられていたようです。しかし武家の台頭とともに、乳加工品も一時期姿を消すこととなりました。 また八代将軍吉宗は、オランダ人馬術教師、ヘンドリック・ゲーズルリングの勧めで、安房嶺岡(現在の千葉県房総南端)で酪農を始めたことも記録に残っています。しかしこの時代でも、乳加工品は庶民の口に入るものではありませんでした。 一般に乳利用が広まったのは明治時代に入ってからです。北海道拓殖事業の一つとして酪農が導入され、国産チーズの試作が明治8年に始まりました。 |