| 鉄分を含んだ食事で貧血対策 |
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原因の一つに鉄分不足。成長期の子供たちは要注意 |
日本の女性の約10%以上に貧血がみられる、というデータがあります。最近の傾向をみると、子供たち、とくに、女子に症状がみられ、健康上の大問題として認識されています。貧血に対しては、鉄分を多く含んだ食事を摂り、栄養バランスを考えて毎日の食生活を整えていくことが必要になります。
貧血の原因の一つとして考えられているのが、鉄欠乏性貧血による血色素減少。女性は、月経によって鉄欠乏性貧血におちいりがちですが、さらに、思春期のように急速な成長期には鉄分の必要量
が増え、貧血を起こしやすくなります。女子に貧血が多いことには、そんな人間のメカニズムが影響しているわけですね。 |
腸管吸収率に優れる食肉レバー |
鉄分を多く含んだ食べ物としてよく知られているのは、ほうれん草に代表される緑黄色野菜や、大豆と大豆を原料にした豆腐など、焼きのり、ひじきなどの海草、シジミなどの貝類がありますが、最も一般
的に知られいるのは「レバー」でしょう。貧血にはレバーを食べると良い、というのは、ほとんどのみなさんがご存じのことと思います。
事実、食肉のレバーには鉄分含有量が極めて多く、豚レバーには50グラム中6.5ミリグラム、鶏レバーでは4.5ミリグラム、牛レバーでは6.5ミリグラムとなっています。
さて、ここで注目しておかなければならないのは、鉄分は体内で作れないので、食べ物から取り入れざるを得ないという点です。しかし、さらにもう一つ、意外に知られていない事実がありました。それは、鉄分の腸管吸収率の違いです。
食物鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。食肉に含まれるのはヘム鉄、海草や野菜、大豆に含まれるのは非ヘム鉄です。腸管での吸収率をみると、ヘム鉄の25%に対して、非ヘム鉄は5%。同じ量
を摂ったとしても、吸収効率は食肉のほうがはるかに良いのです。
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| 鉄分を含む食品 |
| 食品名 |
mg/100g |
一回使用量 |
| g |
鉄mg |
| ひじき(乾燥) |
55.0 |
5 |
2.8 |
| 干しヤツメウナギ |
31.6 |
20 |
6.3 |
| 煮干し(かたくちいわし) |
18.0 |
10 |
1.8 |
| 牛肝臓 |
13.0 |
50 |
6.5 |
| 豚肝臓 |
13.0 |
50 |
6.5 |
| 焼きのり |
11.4 |
1 |
0.1 |
| 干しのり |
10.7 |
1 |
0.1 |
| ごま(いり) |
9.9 |
9 |
0.9 |
| ごま(乾燥) |
9.6 |
9 |
0.9 |
| 切り干しだいこん |
9.7 |
20 |
1.9 |
| 小麦麦芽 |
9.4 |
2 |
0.2 |
| 大豆(国産) |
9.4 |
20 |
1.9 |
| きな粉 |
9.2 |
10 |
0.9 |
| 鶏肝臓 |
9.0 |
50 |
4.5 |
| 湯葉(干し) |
8.1 |
2 |
0.2 |
| アユ(養殖・内臓) |
8.0 |
70 |
5.6 |
| レバーペースト |
7.7 |
20 |
1.5 |
| パセリ |
7.5 |
5 |
0.4 |
| 凍り豆腐 |
6.8 |
20 |
1.4 |
| 鶏卵(卵黄) |
6.0 |
18 |
1.1 |
| シジミ |
5.3 |
30 |
1.6 |
| アサリ |
3.8 |
30 |
1.1 |
| 和牛もも(赤肉) |
2.7 |
80 |
2.2 |
| ヤツメウナギ |
2.0 |
50 |
1.0 |
| ほうれん草 |
2.0 |
50 |
1.0 |
| さば |
1.1 |
80 |
0.9 |
| 鶏もも(赤肉) |
0.9 |
80 |
0.7 |
| 若鶏もも(皮なし) |
0.7 |
80 |
0.6 |
(資料『五訂日本食品標準成分表』) |
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