ビタミンの大きな仕事を評価したい

代謝に不可欠な酵素の働きをアシスト

ビタミンが、人間の成長や健康の維持に必要不可欠なことは、みなさん、ご存知の通りですね。なぜ、人間の体にはビタミンが必要なのでしょう?その答えは、体の中でビタミンがどういう役割を果たしているのか、を解明することで明らかになってきます。

人間が体をつくり、活動を継続していくためには「タンパク質、脂質、糖質」の3大栄養素をエネルギー源とする必要があります。食物からこれらを摂って、自分の体に必要な物質に変えて生命を維持しています。

でも、それだけでは人間のみならず動物たちは生きてはいけません。動物の体の中で起きる一連の化学反応を「代謝」と呼びますが、ビタミンやミネラルは、この代謝に不可欠な働きを体の中で行います。

合計13種類のビタミンがそれぞれの持ち味を発揮

代謝は、体の中で不要になった物質の排出、消化・吸収、いたんだ組織の修復や再生なども含め、私たちが生きていくうえで本当に重要な役目を担っています。

前述の3大栄養素に対して、微量栄養素という別名を持つビタミンは、私たちの体の中で、酵素と結びつき、協力しあいながら代謝を促進させていきます。つまり、代謝の主役、酵素がその働きを完全に達成できるようアシストするわけですね。しかも驚くことに、ビタミンは、酵素が役目を終了しても、体内にとどまって再利用されるのを待っています。なんて健気なんでしょね、ビタミンって。

微量栄養素という別名のゆえんがここにあります。

ビタミンの名前で思い出すのはなんでしょう?AあるいはC、Eでしょうか。有名ですね。ご存じの方がたくさんいらっしゃると思います。ビタミンにはアルファベット以外の名前がつけられた、パントテン酸、ナイアシン、ビオチンなど、聞き慣れないものも含めて、脂溶性(脂に溶けやすい)ビタミン4種、水溶性(水に溶けやすい)ビタミン9種の、合計13種類があります。それぞれに持ち味があって、細胞をやわらかくしたり、骨の発育を助けたりと、得意分野で活躍してくれるのです。

ビタミン名

働き

水溶性ビタミン

ビタミンB1

神経伝達に関する物質の一つで、神経を使う人は消費が激しい。脚気や多発性神経症を予防する作用がある。糖質の代謝に不可欠

ビタミンB2

レバーや牛乳に多く含まれる。脂肪の燃焼に不可欠。口周辺の炎症や舌炎に予防作用がある。光にあたると溶けやすく、壊れやすいのが特色

ビタミンB6

タンパク質の利用効率を高める。ヘモグロビンの合成に必要な酵素を補助する効果を持ち、皮膚疾患や神経障害を予防

ビタミンB12

食肉の内臓や卵などに多く含まれ、赤血球や神経中のリン酸、タンパク質を体内で作ってくれる。悪性貧血の予防に欠かせないビタミン

葉酸

レバー、牛乳、卵、大豆などに含まれ、赤血球生成に関係する重要なビタミン。細胞分裂を抑制し、前ガン状態の進展を防ぐ作用もある

ナイアシン

血管を広げて流れを良くする作用がある。傷ついたDNAを治すのに必要な酵素は、ナイアシンがないと機能しない

パントテン酸

神経中枢の発達を助け、傷の治りを良くする作用がある。タンパク質や炭水化物の代謝も促進。足りないと、末梢神経障害を起こす

ビオチン

レバーや酵母に含まれ、筋肉痛をやわらげる作用がある。脂肪とタンパク質の正常代謝に不可欠で、不足すると脱毛の原因になる

ビタミンC

腸からの鉄分吸収を促したり、抗酸化作用で酸化ビタミンEをもとに戻す作用もある。ストレスの多い人や、タバコを吸う人は大量にビタミンCが消費される

脂溶性ビタミン

ビタミンA

眼に効果的な作用があり、夜盲症や視力低下、眼球乾燥などに効く。レバー、うなぎに多く含まれ、油脂と一緒に摂ると吸収率が良くなる

ビタミンD

カルシウムの代謝に不可欠で、クル病や骨軟化症を予防。骨や歯の発育不全を予防する効果もある。牛乳やマグロ、イワシなどに含まれる

ビタミンE

細胞をやわらかくして、筋肉の緊張をやわらげ、末端の血液循環を良くする作用がある。生殖作用に関連があり、不足すると流産しやすいといわれている

ビタミンK

レバーをはじめ緑黄色野菜、納豆などに多く含まれ、血液の凝固を助ける作用がある。妊娠中にレバーなどを食べれば、胎児の肝臓に蓄えられ、出血性疾患を予防できる