コレステロールを嫌わないでね

低すぎると「脳卒中」を引き起こす原因に
低すぎると「脳卒中」を引き起こす原因に

「コレステロールは体に良くない」というのは、たいへんな誤解です。人間のほとんどの細胞にはコレステロールが含まれていて、小腸からの脂質の吸収を助けたり、性ホルモンや副腎皮質ホルモンとなって、体の発育や命の維持という重要な役割を果たしているのです。

にもかかわらず、「コレステロールは体に良くない」が浸透してしまったのは一体なぜなのでしょう?それは、日本人の3倍以上もの動物性脂肪を摂っている欧米人の実態を基に、コレステロールの悪い面ばかりが強調されてしまったからです。

動脈硬化の予防には、コレステロールの少ない食事を、ということを信じている方も少なくないでしょうが、最近では、健康のためには適量のコレステロールが必要であるとの見解が示されています。しかも、驚くべきことに「コレステロール値が低すぎると脳卒中を引き起こす原因になる」という動物実験データも明らかにされています。

中でも興味深いのは、日本人に多い脳の奥深いところで発生する脳卒中(脳出血・脳梗塞)を予防するために、コレステロール摂取量の増加を中心とした対策を行ったところ、コレステロール値が180~190mg/dlへと上昇するにともなって、脳出血、脳梗塞発生率の減少が確認されたことです。

えっ、長寿地域の高齢者はコレステロール値が高い!?

さらに、もう一つ。日本の長寿地域在住高齢者を調べてみると、大半の方がコレステロール値が高く、短命地域と判断される地域では、年齢が高くなるに従って極端な減少傾向が認められました。実に意外な事実ですね。

このように、人間の体の中で重要な役割を果たしているコレステロール。体内では、1日に1500~2000mgが合成されますが、食品から摂取する場合、1日500mg以内だと、血液中のコレステロール値に影響がないとされています。ちなみに、トースト2枚分にたっぷり塗った10gのバターに含まれるコレステロールは「21ミリグラム」。また、卵は1日数個を食べたとしても、コレステロール値に影響がないことが実証されています。