正しく知ろうBSE

ミルクも乳製品も「問題なし」で決着

BSE(Bovine Spongiform Encephalopathy:牛の伝達性海綿状脳症)は、1986年にイギリスで初めて発見されました。牛の脳がスポンジ状に変化し、正常に立つことができなくなるなどの行動異常障害を経て、やがては死んでしまう病気です。

牛を食料にしている人間にとって、これは一つの事件でした。日本では、イギリス産の牛肉を輸入禁止とし、国内販売される輸入食肉については、生産国名や生産地を表示するという対策がとられました。

やがて病気の原因は、プリオンというタンパク質の一種が何らかの理由で異常をきたすことで発病することがわかってきました。こうした症状を持つ病気は他に、羊や山羊に発病するスクレイピー、ミンクの伝達性脳症、ヒトではクロイツフェルト・ヤコブ病があり、「プリオン病」と総称されています。

その後、BSEの牛の肉や牛乳、乳製品を飲食しても、感染が起きることはない、とのマウスによる実験結果が公表され、その安全性が確認されました。

現在までに22か国で発生が報告されており、日本でも2001年に初めてBSE感染牛が確認され、2004年3月までに11頭の感染が報告されています。

根本的な対策効果で発生は減少方向へ

イギリスで発生したBSEの原因は、与えていた飼料にありました。同じ病気にかかった羊の内臓を飼料にしていたため、それを食べた牛が感染した、と推測されているのです。

1981年から、イギリスでは牛の飼料に使う羊の内臓に対し、それまでの高温処理法のかわりに低温処理を取り入れましたが、低温では異常プリオンタンパク質の減菌ができなかったと見られています。このため、イギリスでは1988年から、羊の内臓飼料を禁止し、根本的な対策を開始しました。それから11年、潜伏期間をはるかに越えた時間経過の中で、BSE発生のピークは過ぎた、という見方が大勢を占めています。

日本でも牛由来の肉骨粉を飼料に使うことは禁止され、新たなBSEの感染経路は遮断されています。