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珍しい?おなじみ?特用家畜の肉

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生産・流通に関するQA

Q&A     
 
珍しい?おなじみ?特用家畜の肉
イノブタ
アヒル
アイガモ
シカ
羊(緬羊)
山羊
ダチョウ
写真提供:すべて畜産ZOO鑑より転載
ぼたん、もみじ、さくらと呼ばれたお肉たち
 日本人がおおやけに肉を食べるようになったのは、明治時代になってからのことです。
 天武4年(675年)、天武天皇によって「殺生禁断令」が出され、牛、馬、犬、鶏、猿の肉を食べることが禁じられました。これは、農耕や運搬につかわれている動物を食べることを戒めたということでもあったようで、その後もたびたび「殺生禁断令」が発せられました。

 また貞享4(1687)年に、江戸幕府第5代将軍の徳川綱吉が「生類憐みの令」を発令したことで、江戸時代中期には本格的に肉食が衰退してしまいます。ただし養生や病人の体力回復のために肉を食べる「薬喰い」は行われており、薬喰いと言い訳をしながら、肉を食べることを楽しんでいた人も多かったようです。おおっぴらに肉食をすることははばかられたため、別名で呼んでいました。
 たとえば、
  • イノシシの肉
    「ぼたん」:肉を皿の上に並べた様子を形容したとも、「唐獅子牡丹」から転じたシャレともいわれる
    「山鯨」:温めると鯨肉のように赤くなり、味も似ていたことから
  • シカの肉
    「もみじ」:花札の「シカに紅葉」の絵柄から
  • ウマの肉
    「さくら」:肉の色が桜色だから、または桜の季節が最も美味だからともいわれる
    「けとばし」:馬がけとばす様を形容した
となっており、これらの呼び方はいまでも残っています。

特用家畜の肉

ここでは、シカ、イノブタといった国内で食肉として消費されているさまざまな特用家畜のお肉について紹介します。

●羊
 羊肉には、生後1年未満の子羊肉である「ラム」と、1年以上の「マトン」があります。「マトン」のうち、肉質がラムに近い生後2年未満のものを「ホゲット」と呼ぶこともあります。

 かつて日本では廉価な冷凍マトンが大量輸入され、独特の臭いを消すためにジンギスカン料理が主に食べられましたが、現在はラムが主体です。ラムは脂肪も臭いも少なくやわらかで、鉄分やビタミンB、不飽和脂肪酸などが豊富な、ヘルシーな食肉です。
 この独特の臭いとは、牛や豚には含まれないカプリル酸やペラルゴン酸といった脂肪酸の臭いです。乳歯が永久歯に生えかわった頃これらの脂肪酸に分解する酵素ができるので、年齢とともに臭いが強くなります。

 欧米では高級肉として賞味されています。日本で消費する羊肉のほとんどはオーストラリアやニュージーランドから輸入されています。今後、国産ラムの安定供給を行うため、ラムの枝肉規格と格付基準が作成されました。

● イノブタ
 豚とイノシシの交配によって生まれた家畜。色は鮮やかな紅色で光沢があり、くさみがなく、豚肉より低脂肪で、味があっさりしています。霜降りはステーキや焼肉などの焼く料理に適しており、食べると体が温まることから、スタミナ料理として食べられています。

● 山羊(ヤギ)
 沖縄では、特別な催しの際に山羊肉料理を食べます。生産量が少なく、値段は高めです。
 肉には山羊臭とよばれる独特の臭いがあり、和牛肉とくらべてタンパク質が多く、脂肪が少な目になっています。また、体が温まる、病気が治るなどといわれ、古くから薬用としても好んで利用されてきました。味噌やヨモギを入れたヤギ汁が代表的な調理法です。

●ダチョウ
 ダチョウは、ほかの鳥類のほとんどが白身肉であるのに対し、牛肉の赤身に似た色をしており、子牛肉に似てやわらかく美味です。低コレステロール、低脂肪、低カロリーかつ高タンパクで鉄分を多く含んでいるため、ヘルシー食、美容食として注目を集めています。

● アヒル
 アヒル肉は、厚みがあって肌身が白く、肉色が鮮やかな紅色のものが最良です。

●アイガモ
 小型のアヒルとマガモを交配して作った家禽で、古くから食肉用として飼育されています。

● シカ
 シカ肉は、必須アミノ酸が多く含まれており、高タンパク、低コレステロールの滋養食品です。


関連情報(WEBサイト)
畜産ZOO鑑 社団法人 中央畜産会