Q1:豚はいつ頃から飼われるようになったのですか?
A1:豚の先祖はイノシシで、食べ始めたのは縄文時代くらいからといわれています。イノシシは豚に比べてお肉の量も少なく、性格が荒く飼いにくいので、人間の役に立つように改良が始まりました。
しかし、中国大陸から仏教が伝わってくると、生き物を殺してはいけないという教えが広まり、お肉を食べる習慣がなくなっていきました。再び食べられるようになったのは、明治時代になってからのことです。欧米諸国に負けない体づくりをめざして、豚肉の栄養が見直され、畜産が徐々に全国各地に広がっていきました。
豚は、なんでもよく食べる性質(広食性=こうしょくせい)があります。そこで昔は人間の食べ残し、つまり残飯(ざんぱん)などで豚を飼っていました。
しかし昭和に入って養豚場(ようとんじょう)の規模が大きくなると、それだけでは間に合わなくなり、トウモロコシやダイズ、ムギなどをエサ用に育て、濃厚飼料(のうこうしりょう)として食べさせるようになりました。
<関連リンク>
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「養豚って何?」
「何でも食べ、おいしい肉に変えてくれる【エサのあたえ方】」
Q2:豚を育てるサイクル(栽培暦のようなもの)はありますか? またどんな工夫をしているのでしょうか?
A2:豚には、稲作や野菜などとちがって、季節による作業のちがいはありません。お母さん豚は、1年間に2回子豚を産み、20頭以上も育てます。この豚がお肉になって私たちの食卓に並ぶまでが、ひとつのサイクルになっているのです。
また、豚を育てるときに大切なのは、たくさんの子豚を産み、その子豚がエサをたくさん食べて丈夫に育つことです。そのためにいろいろな工夫をしています。
たとえば、暑さが苦手なので夏は涼しく過ごせるようにする、病気にかかりにくいように清潔な畜舎(ちくしゃ)で育てる、栄養の多いエサをたくさん食べさせるなどです。
<関連リンク>
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「ちゃんと世話しないと病気になっちゃう【おもな病気と対策】」
「1年に20頭以上の赤ちゃんを産む」
Q3:豚にはどんな品種がいるのですか?
A3:いろいろな品種がいます。ランドレース種、大ヨークシャー種、ハンプシャー種、バークシャー種などで、それぞれに特徴があります。これらの品種は、父豚と母豚でちがう品種をかけ合わせて生まれた交雑種(こうざつしゅ)です。
たとえば、おいしいお肉になる父豚と、成長の早い母豚の子豚は、成長が早くておいしいお肉をつくる豚になる、雑種強勢(ざっしゅきょうせい)という性質を利用しています。
<関連リンク>
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「さまざまな品種」
Q4:豚のウンチやおしっこはどうなってしまうの?
A4:豚のウンチやおしっこは、ちゃんと処理すると堆肥(たいひ)という肥料(ひりょう)になります。そのままにしておくと環境問題の原因となり、ほうっておくことはできません。ただし、その処理にはお金がかかります。
2004年からは環境問題をおこさないようにするため、農家で堆肥の処理施設をつくることが、法律で義務づけられています。
<関連リンク>
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「ウンチやおしっこの処理と利用」
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