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アイスクリーム製造上の注意
 
アイスクリーム製造上の注意

 日頃どんなに気をつけているつもりでも、失敗してしまうことはあります。そんなときは、二度と同じ失敗をくり返さないよう、原因を必ず突き止めましょう。食品を製造しているかぎり避けて通 れない衛生管理についてを中心に、初心者が起こしやすい失敗と、その対処法について紹介します。

大腸菌が検出された
 汚染される可能性のある工程を一つ一つチェックしていきます。特にゴムパッキングの部分が最も汚染しやすいので、よく調べましょう。以下の、1〜5の項目を再度チェックします。その後製造したサンプルを、検査期間に提出します。それでも営業停止処分になった場合は、当然従わなければいけません。

1 殺菌工程のチェック
  温度と時間、殺菌後の冷却時間などをチェックします。
2 エージングのチェック
  エージング中の温度をチェックします。2℃が基本です。
3 フリージングのチェック
 フリーザーは日頃から分解して掃除をすることが大切です。
以下の手順で確認作業を行います。


ダッシャーの羽に汚れがないかどうか

ダッシャー取り付け部分のゴムパッキングが汚れていないかどうか

シリンダードアのパッキングに汚れがないか

取り出し口の下側に汚れが付着していないか

4 器具のチェック
 ヘラ、容器、アイスクリームカップなどの殺菌方法を確認します。従業者の手指の殺菌方法についても、同じくチェックします。
5 素材の殺菌方法チェック
  殺菌が十分行なわれたか、保存温度が適切であったかをチェックします。

アイスクリームをとかしてしまった
 一度とかしてしまったら商品価値はなくなるので、再度殺菌してつくり直すしかありません。冷凍庫内の温度上昇が原因です。冷蔵庫のフィルターをこまめに掃除し、目詰まりをとる、電源が落ちないようにするなどの工夫が必要です。

アイスクリームが古くなった
 古くなったら廃棄処分しかありません。保存状態があるので一概にはいえませんが、常識的に1カ月以上経過したものが該当するでしょう。

脂肪の塊ができた
 高脂肪のアイスクリームや、生乳を使用した場合によく見られる現象です。脂肪球の大きいジャージー乳や山羊乳を利用する場合、特に注意が必要です。
  アイスクリームのおいしさは脂肪率の高さではなく、バランスがとれていることが一番です。無理に脂肪率を高くせず少し抑えてみる、脂肪球を均質化したクリームを使うなどの方法をとるとよいでしょう。


写真提供・文献引用:食品加工シリーズ1 アイスクリーム(著者:宮地寛仁、撮影者:小倉隆人 農山漁村文化協会)