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Q1:おもな牛肉産地とその特徴を教えて下さい。
A1:牛肉産地とといっても定義は様々なので、ここでは飼養頭数や農家戸数でお答えします。

 農林水産省が出している畜産統計(平成16年2月発行 平成15年調査分)によると、単純に県別の肉用牛の飼養頭数で判断して
1位 鹿児島県(約30万8000頭)
2位 宮崎県(約22万8000頭)
3位 北海道(約12万3000頭)
となります。この頭数は、黒毛和種、褐毛和種などのいわゆる肉専用種をまとめての数になります。

 一方、農家戸数別に見ても、
1位 鹿児島県(約1万7000戸)
2位 宮崎県(約1万2000戸)
3位 岩手県(約1万戸)
となります。ただし、これは繁殖農家と肥育農家を一緒にした数であること注意する必要があります。

 また、日本全国にはその地域独特の特色を持った牛肉の生産に励んでいる地域が、数多く存在します。このような、それぞれの産地特有の性格を持った牛を、銘柄牛(銘柄牛肉)とよんでいます。松坂牛や神戸牛などもこの括りになります。これら銘柄牛については、財団法人日本食肉総合センターのホームページで紹介されていますので、参考になさってください。

<関連リンク>
食肉消費総合センター
 トップページ→銘柄ハンドブック→牛肉産地銘柄→平成14年
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「茶色の牛もいるんだよ【肉用牛の品種】」:肉用牛の種類
「経営形態とその特徴」:農家形態


Q2:日本に肉牛は何種類くらいいるのでしょうか?
A2:数えるのが難しいくらい、たくさんの種類が飼われています。おもな種類をあげておきます。
・黒毛和種(くろげわしゅ)
・褐毛和種(かつもうわしゅ)
・無角和種(むかくわしゅ)
・日本短角種(にほんたんかくしゅ)
 そのほか、まだまだたくさん種類がいますので、「畜産ZOO鑑」((社)中央畜産会)もみてみてください。
<関連リンク>
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「茶色の牛もいるんだよ【肉用牛の品種】」:肉用牛の種類


Q3:よい育て方というのはあるのでしょうか?
A3:良いお肉を作るためには、丈夫に育てることが大事です。そのために、病気にならないように予防接種をしたり、清潔な畜舎(ちくしゃ:家畜の家)で飼うようにしています。また暑さがにがてなので、夏は涼しくすごせるようにしてあげたり、栄養の多いエサをたくさんたべさせることで、おいしいお肉がつくられます。

 家畜も人間と同じように、住んでいるところが汚かったり、食べ物がおいしくなかったりするとストレスがたまり、病気になりやすくなってしまいます。よい環境で育てることが大切なのです。

<関連リンク>
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「ちゃんと世話しないと病気になっちゃう【おもな病気と対策】 」:肉用牛の種類


Q4:育てるときの工夫や努力には、どんなものがありますか?
A4:健康で丈夫な家畜を育てるためには、毎日、状態を観察することが大切です。そのポイントはいろいろありますが、たとえば、エサをよく食べているか、ケガをしていないかなどがあります。こうした観察をすることで、もし調子の悪い家畜がいたら、すぐに治してあげることができます。

 また牛の場合は、外に放してあげる放牧をして、広いところで運動することでからだが丈夫になり、よいお肉がつくられます。

<関連リンク>
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「運動と日光浴」


Q5:お肉が食卓に届くまでにはどんなことがおこなわれているのでしょうか?
A5:お肉がお店に並ぶまでには、いろいろなことをしなければいけません。

 まずと場というところで、家畜を殺します。かわいそうだと思うかもしれませんが、私たちがお肉を食べるためにはこうするしかありません。そして、いろいろな検査をしてお肉を食べても大丈夫かどうか調べます。病気にかかっていたり、菌がいると食べられないのです。

 検査に合格したお肉は、そのまま置いておくと菌がついたり、お肉の質が変わってしまうので、2日間冷やします。その後、卸売業者(問屋)にわたされます。 卸売業者はお肉を小さく切って、さらに余分な脂肪(しぼう)などを取って、お肉屋さん、スーパー、そしてレストランなどに流通させます。

<関連リンク>
・カラダのごちそう アタマの栄養((社)中央畜産会)
「お肉がお店に並ぶまで」


Q6:オスの子牛は、将来食肉用になるのでしょうか? 乳牛にはなれませんよね。
A6:牛乳は、子牛を生んだお母さん牛がだすオッパイのことなので、乳牛のオスはお乳を出すことはありません。オスは、優秀なものだけが繁殖(子供をつくる)用として肥育されます。肥育とは将来、たくさんのお肉がとれるように成長させることです。
 ほかは、生まれるとほとんどが去勢(精巣を手術でとること)されて、肉用子牛として育てられるのです。


Q7:犬を何頭か飼っているのですが、激しい運動をするので、牛の生肉をよく食べさせています。あるとき「牛の緑色の胃が運動する犬のエサには非常に効果的」という話を聞きました。緑色の胃とは、どこにあたるのでしょうか?
A7:お問い合わせいただいた「緑色の胃」とは、第1胃、「ルーメン」ではないかと思います。解剖すると食べたものの断面が見えるため、草の色が見えたのではないでしょうか。

 牛は全部で4つの胃があります。一番大きな第1胃は120リットルもあり、草の繊維(せんい)を分解する微生物がたくさんいて、消化をします。「ハチの巣」とよばれる第2胃、「せんまい」とよばれる第3胃、消化液を分泌する第4胃にわかれています。

<関連リンク>
・畜産ZOO鑑((社)中央畜産会)
「胃の構造と働き」