タウリン
脳をはじめ心臓、骨格筋、肝臓、腎臓といった様々な器官に存在する重要なアミノ酸です。生まれて間もない猫にタウリンを含まない餌を与えて飼育したところ、骨、脳などの発育に明らかな異常がみられた、という結果がでています。成長期に、タウリンがいかに必要かがわかりますね。
食肉の内臓にはタウリンが多量に含まれています。100グラムの食肉には、牛や豚のタンで200ミリグラム以上、豚のハツには100ミリグラム前後、牛のハラミには80ミリグラム。牛かた肉でも50ミリグラム含まれますが、内臓のタウリン含有量がひときわ目立つデータですね。
コラーゲン
皮膚、骨、軟骨などの主成分となっているタンパク質です。潤いのあるお肌を保つ化粧品の原料として使われていますので、ご存知の方も多いでしょうね。
体に必要なコラーゲンは、体内で生成されますが、体内で起こる分解とのバランスが崩れ、分解のほうが多くなると、老化の原因になります。また、血管内での膨潤性が低くなると、高血圧の原因にもなります。食品として摂るには、ゼラチンがベストとされています。
乳酸菌
整腸作用や消化・吸収のヘルプ役として、乳酸菌は極めて有名ですね。そして、乳酸菌といえばヨーグルト。独特の爽やかな風味をもち、しかも、日もちするという特徴を備えたヨーグルトには、免疫力を高めるインターフェロンを増産させ、さらにはガン細胞を殺すナチュラルキラー細胞を活性化させる働きがあることがわかっています。
ヨーグルトを作る乳酸菌には、ブルガリア菌(爽やかな味わい)、ビフィズス菌(大腸に住む菌)、アシドフィルス菌(小腸に住む菌)などがあります。
リゾチーム
卵1個の白身の中に0.3〜0.4%含まれている「細菌を溶かす酵素」です。ペニシリンの発見者、A・フレミングが存在を発見しました。
医薬品として開発されたのは1964年。最近では「塩化リゾチーム」として医薬品に用いられ、風邪薬の原料に使われています。卵酒が風邪に効く、という理由がこれでわかりますね。
細菌を溶かす、という特質から、感染防御機能を高める、炎症組織の修復促進などの効果が認められており、これまで手術でしか治せなかった蓄膿症が、飲み薬でも治療可能になることが実証されています。
レシチンとコリン
お肌に使う栄養クリームやシャンプー、養毛剤、医療用軟膏、そして栄養補助食品などに用いられています。卵の黄身に含まれる脂質のうち30%がリン脂質で占められ、その70%以上の割合を示すのが、卵黄レシチンです。
油を乳化させる強い能力を持ち、また皮膚の乾燥を防いで水分を保つという性質が特徴です。卵の黄身と白身には、それぞれ医薬効果を持つ成分が含まれているわけですね。
また、レシチンの構成要素のひとつであるコリンは、ビタミンB12と同時に摂取されることにより脳が活性化され、記憶力のアップや脳の老化などにつながるとして注目を集めています。
アナンダマイド
おいしいお肉を食べると、幸せな気分になれますよね。なぜなんでしょう。当たり前のことのようなのですが、科学的には食肉に含まれる、アラキドン酸という脂肪酸に関わりがあることが解明されました。
アナンダマイドは、アラキドン酸から生成され、人間の脳にある快感神経を刺激するとともに、鎮痛作用も働くことがわかりました。別名「至福物質」。この表現だけで、幸せな気分の正体がわかりますね。